2005年12月14日(水)19:01

議長国イギリスはEU中期予算問題でほとんど譲歩せず

ブリュッセル(AFP)

ブリュッセルの首脳会議を翌日に控え、議長国イギリスは新たな予算提案を行ったが、歩み寄りの姿勢はほとんど示していない。イギリスの発表した2007年から2013年の中期予算計画に関する新たな提案では、予算総額が僅かに上積みされただけで、自国の拠出金割引についてはこれまで申し出た以上の譲歩はない。欧州委員会のジョゼ・マニュエル・バローゾ委員長はイギリスの新たな提案を「到底不十分」と批判した。

新たな提案では中期7年間のEU予算として総額8493億ユーロが認められている。これは当初の提案に比べておよそ25億ユーロの増額となる。実際にEU予算から支出されるのは8093億ユーロで、当初案より19億ユーロ増えている。この額はEUの域内総生産の0.98パーセントに相当する。

経済的に弱い地域に向けられる構造改革補助金は、7年間の総額で約2990億ユーロとなり、当初案と比べておよそ20億ユーロ上積みされている。この構造改革補助金はとりわけ新規加盟国に振り向けられる。イギリス政府は農村地域の開発におよそ5億ユーロの上積みを認める意向である。

オランダやスウェーデンなどの実質負担国のためにさらに若干の譲歩を行ったことを除けば、イギリス政府の中期予算問題に対する姿勢はこれまでと変わらない。自国の拠出金割引制度は今後とも維持する。しかしEU拡大のコストを共に負担すべく、払戻金の一部を放棄する意向である。新たな提案では具体的な金額を挙げていない。しかしジャック・ストロー外相はイギリスが先週8億ユーロの拠出金増額を申し出たことに改めて触れた。

厳しい批判の声は欧州議会のライマー・ベーゲ広報局長(ドイツキリスト教民主同盟CDU)から上がった。この提案は欧州議会のはるかに高い予算要求に比べれば「意図的な挑発」と言える。これによりイギリスのトニー・ブレア首相は「彼にとってイギリスの拠出金割引を守る方が欧州の連帯より重要だということ」を認めたのだ、と広報局長は批判した。

原題:London macht kaum Zugestaendnisse bei EU-Finanzen




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